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株式会社AXISグリーン 代表取締役 山口健一

 季節外れなお話だが、名取のいちごが美味しいという話を聞いた。いちごというと県内では山元町や石巻市が有名だがここ名取市でもいちごを作っている農家や企業があるそうだ。今回はその中の「STRAWBERRY GARDEN NATORI」を運営している株式会社AXIS.Gファームの代表 山口健一さんにお話を伺った。

 取材当日、指定された場所を訪れると建物の外壁には大きく「株式会社AXISグリーン」と書かれている。いちごを作っているような感じは全くしない。ちょっと不安を感じながら思い切って建物の中へ入ってみると我々を出迎えてくれたのは代表取締役の山口健一さん。株式会社AXIS.Gファームの代表であり株式会社AXISグリーンの代表でもある人物だった。

 株式会社AXISグリーンは平成14年創業の建物解体工事を請け負う会社だ。宮城県内全域で様々な建物を解体してきた。解体すれば産業廃棄物が出てくる。そこでお隣の岩沼市の臨空工業団地に産業廃棄物を処理するリサイクルセンターを作り建物解体工事から産業廃棄物収集運搬、産業廃棄物中間処理(破砕)までをトータルで行い環境に配慮した適切な処理、リサイクルを行っている。このリサイクルという点で廃棄物系バイオマスが再生可能な資源であるという点に着目しそれを熱源として農作物を作ることを考えたのだそうだ。

 最初はトマトを作ってみたそうだ。トマトは比較的作りやすい野菜なのかもしれない。家庭菜園でもトマトを作る人は多いように思う。しかしトマトは好き嫌いもあるし、同じ赤い物ならいちごの方がもらった人が笑顔になる。だから・・・と山口代表が考えたかどうかはわからないが、専用のハウスを建てトマトではなくいちごづくりを始めたのだそうだ。さてこのいちごづくり、実は社員の誰かに担当させるのではなく山口代表自ら山元町のいちご農家に指導をしてもらい率先して作っているらしい。もちろん一人で全ての作業を行うのは難しいので社員の方や高舘のハウス北側にあるいちご観光農園「ラ・フレーズ」で就業している障害者の方々にも協力してもらっているそうだ。

いちごジャム、いちご糖も大人気商品

 現在山口代表は本業の解体工事から生まれるバイオマスエネルギーを利用した温室ハウスでのいちごづくりを軌道に乗せるため試行錯誤している。これがうまくいけばリサイクル、就労支援、6次化産業、地産地消など様々な取り組みを循環型に形成できると見込んでいる。

 笑顔がステキな山口代表の作る名取のいちご。残念ながら今回は美味しいと評判のいちごにはお目にかかれなかったが、12月ごろから収穫の時期に入るようなので是非口いっぱいにほおばって名取のいちごを味わいたいものである。

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